ある外資系企業のアメリカ人ビジネスマンが言ったそうです。日本人の多くが、結局何を言いたいのかよくわからないと。前置きの説明を長々とするけれど、結論が何なのかよくわからないことが多いと。記者会見を聞いていて違和感を感じることも多いかと思います。結論を曖昧にして、その場をごまかような話し方をするシーンよく見かけます。日本では、曖昧や先送りを美徳であったり、ある種の知恵と考えている傾向があります。しかし、ビジネス上では曖昧に話すことを良しとはしません。特に国際ビジネスでは、相手にされないことも多くなるでしょう。いわゆる阿吽の呼吸は通用しません。
アクティブラーニングのケーススタディでも事情は一緒です。曖昧は許されません。まず結論ありきです。結論を伝え、そして根拠の説明をしなければなりません。結論を最初に伝えることで、相手は何が言いたいのか理解しやすくなります。人に伝えるには、どのような手法であっても相手にわかりやすいことが肝心なのです。極端な場合、賛成か反対をまず伝えます。相手はイエスかノーが知りたいのであり、根拠の説明は後で十分です。ただし、根拠の説明の中に、ディスカッションの接点や面白さがあります。そのため前置きの長さは議論を停滞させ生産性をおとしめてしまいます。ディスカッションだけではなく、例えばレポートも同じです。話すのも書くのも「結論→根拠の説明」の順を追うと、理路整然と相手に伝えることができます。この法則を実践できれば考えを伝える技術が身につき、ディスカッションやレポートの提出を怖がる必要はなくなります。要するに自分は何が言いたいのか冒頭に伝え、直後に根拠を開示する。このコツを身に着ければ根拠を探すことも、自ずと楽しくなってきます。