
今、あなたはパソコンを使って事務作業をしています。企画の作成途中で、上司から声がかかりました。作業を中断するために「上書き保存」をします。用件が終わりパソコンを開いて作業を再開したら、思わぬアイデアが湧いてきて、企画を立て直すことにしました。日常的によくある出来事です。他にも文章を作成していて、どうしても睡魔に勝てなくなって上書き保存の後に中断したとします。翌日再開したら、新たなアイディアがどんどん湧いてくる。こんな体験は誰しも一度はあるのではないでしょうか。上書き保存というのは、自分を一度追い込んだ後に来る素敵なご褒美とも言えます。
実はアクティブラーニングのケーススタディでも、これと似たようなことが日々起こっています。パソコンの事務作業は一人で行う作業ですが、ケーススタディは「協同作業」です。ディスカッションを通じて、自分の考えが、揉まれ、叩かれ、否定され、根拠を求められて・・と、次から次へと上書きされていきます。一人で作業していると、時には行き詰まり辛くなることが多いですが、協同作業はある種、 快感です。また、自分のアイデアが肯定されても否定されても、それを新たな発想だと快く感じる柔軟さがないと、ケーススタディから果実を得ることはできません。「上書き」は柔軟さの証明となります。
名古屋商科大学では現在、CAPI(海外インターンシップ)の事前研修を実施しています。この夏に、入学して半年足らずの1年生が、海外の企業に就業体験をしに出かけます。事前研修は英語を中心とした語学学習やビジネスマナー、海外事情についてのガイダンスです。そして最大の上書きとなるのは、派遣先の海外企業での体験です。日本の常識が海外では非常識。日本に閉じこもっていては得られない経験が、CAPIでは得られます。教室でも海外インターンシップでも、知識と経験の「上書き」の連鎖。これこそが名商大の強みなのです。