コミュニケーション学部の竹澤伸一教授による「アクティブラーニング」コラム第14回。竹澤先生は学習の楽しさを共有する授業に取り組みながら、貴重な学びの時間に真剣に向き合い、学生の自己実現に向けて身につけるべく能力を養っています。

「メモの取り方で人生決まる。」「メモから無限の宇宙が生まれる。」「メモは『主役』になるための玉手箱」と前回、書きました。メルアドを公開したお陰で、何通かの「お便り」をいただきました。近県の高校3年生からの「お便り」。「私の高校には『卒業研究』があります。私は『・・・』(注、個人情報なので)というテーマで書き続けています。先生(注、私のこと)のおっしゃる『メモ』を、私もとても大事にしています。『メモボックス』には500枚くらいの『走り書き』が貯まっています。先日、担当の先生に最後の点検をしてもらいました。『君はどうしても、このテーマで行くんだ。学校が提示したテーマ例を無視するのなら、あまり良い評価はあげられないよ。』(中略)先生、学ぶ自由って、少なくとも私の高校にはないように思います。」
私は返信に「ぜひ名商大にいらっしゃい。残念ながら君の高校は、『学ばされているもの』から『主観的な学び』への転換という発想がないようだ。名商大は『ケーススタディ』を通した『主観的な学び』の宝庫だから、きっと君は生き返ると思うよ。」と綴りました。何しろ彼の「テーマ」は「おもしろい」ので。 最近、「入試の面接担当」もさせていただいております。高校生の人生を左右するのだから事は重大です。就活のESと一緒で「志望動機」を尋ねます。極限の緊張の中で受験生は懸命に答えてくれます。私は「答え」の中に「自分のことば」を探すことにしています。借り物ではない「自分のことば」。もし先述の高校生を面接したら、「自分のことば」で溢れているでしょうね。
「アクティブラーニング」は学ぶ前後のレポートをとても大事にします。「レポートの課題(テーマ)は自由」と、昨年度のある「授業」で言ったことがあります。その時の学生の顔。完全に「脇役」の顔でした。「本当に自由なんですか?」教室で、道で、メールで、何度も確認されました。その反省(?)から、今年度は「テーマ例」をかざすことにしました。でも「これらのテーマでなくてもいい。原則、自由。」と言っています。私の「授業」の「リピーター」は「わかっている」ので、「自由」でも平気です。「メモ」の習慣がついてくれば、テーマの「大枠」も「小枠」も自分でつくれます。「自由」と言われて戸惑わない人が「主役」。卒論も、就活も、人生の選択も「自由」が一番。ただし、この「自由」を手に入れるためには、「膨大な回り道」が必要。それは次回で。