「MBAキャリアデザイン」は本学大学院修了生(MBAホルダー)から、働くことや人生、キャリアについて改めて考えることを目的に開講されている名古屋キャンパス都心型コース独自プログラムです。今回はトヨタ自動車株式会社のエンジニアである只熊 憲治さんをお招きし、モノづくり企業におけるキャリアデザインのケースを題材に、アクティブラーニングで、自社の歴史や現状分析から、会社の持続的進化要件やビジョン設計を考えました。
過去を知り、未来を見つめる
主人公であるエンジニアTはトヨタ自動車に入社してから先行技術の開発を担当していましたが、この2、3年は自分の専門性と自社の業績へのつながりを感じられる機会が少なくなっていました。自分の将来を見つめ直し始めたエンジニアT。今後どんなビジョンを描き、どんな能力を身につけ、どのフィールドで活躍していくべきか。自社の先人たちの偉大な社会貢献や、強い思いを知ることがヒントになると考えたエンジニアTは、自社についてより深く理解することから始めます。
学生たちはエンジニアTになったつもりで、この会社のトップの思いや、どうしたら持続的に会社が進化するのか、意見を出し合っていきます。
(只熊さん)「トヨタ自動車が成長できるのはなぜか? いいクルマ作りに必要なことは何か?」
(学生)「クルマを作るのは人だから、人材育成が大切。」「失敗してもいいからチャレンジできる環境があるとよい。」
(只熊さん)「しかし、多額の資金を投資して失敗した時、何も得られなかったで済まされない。”チャレンジ”を経営的視点も加え、考える必要がある」・・・
アクティブラーニングでは白熱したディスカッションが繰り広げられ、様々な意見がどんどん飛び出します。
ここまでの背景を踏まえ、最後にエンジニアTが行ったのは「自分を見つめる」こと。「何がやりたいのか?」を追求するために、①好きなこと②得意なこと③なすべきことの3点に着目し、自分を見つめ直しました。
只熊さんは、学生のキャリアデザインに活かせるフレームワークとして、上述の3点を学生に考えさせました。学生からは「好きなことは音楽で、得意なことは困難な状況でも動いていけるところ。なすべきことはもっと知識を増やし、行動の選択肢を増やせるようにしたい」など、具体的な道筋が多く発表されました。
今回の講義ではアクティブラーニングによって能動的に自分の将来について考える良いきっかけになりました。講義後のアンケートでは、「自分を見つめ直すことから、これからの成長につながることを学べた。実践してみたい」や、「これからの自分の成長につながるきっかけとなったように思う」など、学生たちは主体的に考えることで、より具体的な未来が見えてきたのではないでしょうか。名古屋商科大学のこだわる「納得内定」につながる就職活動ができると確信しています。